PGAツアーのジェイ・モナハン・コミッショナーは「ツアー選手権」開幕前日に会見を行った

◇米国男子プレーオフ第3戦（最終戦）◇ツアー選手権 事前情報（24日）◇イーストレイクGC（ジョージア州）◇7346yd（パー70）

PGAツアー（米国男子ツアー）は24日、2022年－23年シーズン以降の大会及びツアーメンバーに関する規定変更を明らかにした。サウジアラビア政府系資金をバックにした新リーグ「LIVゴルフシリーズ」への対抗策とみられ、特定大会の賞金増額のほか、有名選手の出場機会の確保、メンバーの最低賃金を保障することでツアーの地位を高める。

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すでに発表済みの大会を含む12試合の賞金総額を最低1500万ドル(約20億5500万円)に設定。プレーオフシリーズ3試合のほか、「ザ・ジェネシス招待」、「アーノルド・パーマー招待」、「ザ・メモリアルトーナメント」、「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」、「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」に加え、さらに今後、別の4試合を総額2000万ドル(約27億4000万円)以上の“昇格大会”に指定する。

各選手の認知度やメディア露出、インターネット検索などによるそれぞれの影響力を数値化した「プレーヤー・インパクト・プログラム」の影響力を強め、「トッププレーヤー」に定義された上位20人の選手には総額1億ドルのボーナスを支給。今季の対象者数10人、総額500万ドル(約6億8500万円)から倍増し、ボーナス獲得選手たちには上記の昇格大会およびメジャー4大会、「ザ・プレーヤーズ選手権」を含めた年間20試合以上の出場を求める。

ジェイ・モナハン・コミッショナーはこの日の会見で「シーズンを通してファンは20試合以上トップ選手が競い合う姿を見ることができる」と、スター選手が特定大会に集結することの重要性を説明した。ロリー・マキロイ（北アイルランド）もNFLやF1を例に出し、有名プレーヤーが集う大会こそが注目され、ツアーが「より魅力のある商品」になると同調。前週デラウェア州で行ったタイガー・ウッズら一部選手との会議で出た意見とも合致しているという。

また、下部コーンフェリーツアー出身選手をはじめとした正規メンバーには年間50万ドル(約6800万円)の収入を保障する。シーズンの獲得賞金が同額に満たない金銭をツアーが負担。下部から昇格直後の選手は前金で受け取ることもできる（15試合の出場義務がある）。

今季のプレーオフ進出を逃したフェデックスカップポイントランキング126位以下の選手らには、予選落ちした大会あたり5000ドル(約68万円)を支給し、旅費などをサポート。今年開始された「LIVゴルフ」は参加選手に移動費や試合期間中の滞在費を負担している。

新リーグへの対抗策を明確に打ち出した格好。モナハン・コミッショナーは移籍選手のツアー復帰を認めることについて「すべての選手には選択する権利があり、私は彼らの選択を尊重してきた。彼らはそう選択したわけで、私たちには私たちが選んだものがある」と否定し、「自分たちがコントロールできることについて集中し、強化し続けていきたい」と話した。