マスターズ・ベストショット その2(2013年初日版) by 上杉隆
2013年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
マキロイ もがきながらのイーブンパー
「ホンダクラッシック」の途中棄権、「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」での初戦敗退、そして幾度かの予選落ちというシーズン序盤の困難を経験したロリー・マキロイ。彼の道のりはまだまだ険しいものがある。
「本当にバカバカしいミスをいくつもした」と、マスターズ初日を「72」で回ったマキロイは苛立ちながら話した。「それでも良いプレーができたし、たくさんのチャンスも作れた。でも、もっと良いゴルフができたはずだ」と悔やむ。
<< 下に続く >>
曇り空のオーガスタナショナル。マキロイは、バック9で出入りの激しいゴルフをした。2アンダーで折り返したマキロイは、その後、バーディよりもボギーの数が上回った(バーディ2つ。ボギー4つ)。そしてパーは3ホールだけだった。その要因のひとつはパッティングだろう。後半9ホールでいくつかの3パットをしてしまい、後半のスコアを「38」とした。
良いゴルフをしていたかと思えば、あっという間にその調子は悪い方向へと向かうという1日だった。9番ホールでバーディを奪ったかと思えば、続く3ホールのうち2ホールをボギーとしてしまった。13番ホールと15番ホール(共にパー5)でバーディを奪うも、14番ホールでまたしてもボギーを叩いた。17番ホールでこの日最後のボギーを叩くと、23歳のマキロイの苛立ちは頂点に達し、腹立だしげにパターを投げ捨てた。
「あれが今日の全てを表しているよ」と、首位のセルヒオ・ガルシア(スペイン)とマーク・レイシュマンに6打差につけられているマキロイは語った。そして、「良い流れになったかと思うと、すぐにその勢いが断ち切れてしまった。このコースではそれはしてはいけないことだ」と加えた。
穏やかな天候に恵まれた初日、33人の選手がアンダーパーで回った。マキロイが落胆するのも無理はない。
出だしでは、マキロイもアンダーパーで回るかと思われた。
両親とガールフレンド(テニス選手のキャロライン・ウォズニアッキ)が見守る中、マキロイはフェアウェイのど真ん中に最初のティショットを放った。20フィートのバーディパットを外したが、続くホールではあわやチップインイーグルとなるナイスアプローチで、楽々バーディを奪った。
マキロイは、6番ホールでもバーディを奪うも、続く7番ホールと9番ホールでボギーを叩いてしまう。
「僕のゴルフはもう少しというところまで来ているよ」とマキロイ。「明日の2日目は今日のようにバーディチャンスをたくさん作って、沈められるよう願っている」。
昨年、PGAチャンピオンシップで8打差をつけて優勝した時を含め、5度の優勝を飾り世界ナンバーワンに輝いたマキロイは、ほとんどミスをしなかった。しかしオフシーズンにナイキと何百万ドルもの契約を結び、使用クラブを変更して、スイングの調整に苦戦した。一気に脚光を浴びる存在となり、ついにはその環境に押し潰されてしまった。
それでも、復調の兆しは見られ始めている。
マキロイはドーラルの最終日を「65」で回ったが、その時のことを自身のスイングのターニングポイントと言っている。先週のサンアントニオでも2位に入った。さて、去年の彼自身にどれくらい近づいているのか。
「去年の自分にとても近づいているよ。とても良くボールが打てていると思っている。あとはチャンスを確実にものにし、ミスを減らすことだけだ」とマキロイは語った。