タイガー、世界1位に復帰して臨むオーガスタ
2013年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
【WORLD】“解読不能”B.ワトソン/マスターズプレビュー
Golf World(2013年4月8日号)texted by E.Michael Johnson
「とにかく要求されることが多くて参ったよ」とワトソンはメジャー大会優勝後について語る。「これまでも偉大なゴルファー達をリスペクトしてきたけれど、今では以前より彼らを尊敬している。僕にとって通算4勝目、メジャーではあったけれど、とにかく周りの状況はクレージー。タイガーなんてメジャー14勝も挙げているからね。それはそれは、大変な生活だと思う。僕なんて目じゃないくらい。自分なら気を失うかもね。炎天下にボールを打つことなんて大したことではないよ。自分のキャリアを通してやり続けてきたことだから。それとこれとは話が違う。快適さなんて守れるわけがないくらいだから」。
フィールド外だけではなく、当然パフォーマンスにおいても要求されるレベル、プレッシャーは格段に上がった。マスターズ優勝のおかげで世界ランキング4位にまで浮上したワトソンは、アメリカ国内でベストという称号を飛び超え、圧倒的な飛距離、そして試合へのユニークなアプローチがセールスポイントとなり、次代の大物選手として注目を集めるようになる。
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「バッバのプレーは他人とは違うからね」とはブラント・スネデカー。「彼と一緒に回ればすぐに気がつくことだよ。お金を払って見る価値があるとすれば、タイガー、フィル(ミケルソン)、それにバッバかな。見ているだけで楽しいよ」。
確かにワトソンはエンタテイメントに長けている。しかし、「王者」とは呼べるのだろうか?3年間ネイションワイドツアーに参戦し未勝利。2010年のトラベラーズ選手権までの間、大きな大会で優勝するのに4年半もかかっている。34歳という年齢で通算4勝という数字は決して悪いものではない。ワトソン自身が自らの実力を理解しているか(もしくはどこまで実力を伸ばせるか)、または自分の実力を認められることで課される責任を背負いたくないのかどうかの議論は自由にすればいい。
1つだけ確かなのは、「2番ではダメだ」というウッズのような哲学を持っていないということだ。
「メディアは時に勝たないといけないというプレッシャーをかけてくるけれど、タイガー以外で、そうした状況下で勝てる選手は少ない。僕にとっては2位というのは大きな結果。2010年の全米プロゴルフ選手権を2位で終えてライダーカップメンバーに入ったのも大きかった。僕らが得ている賞金は高額だからね。もちろん勝ちたいよ。ただ、2位でも大きな結果というのを忘れはしないと思う。およそ2年と少しの間に4勝を挙げたけれど、自分では想像もしていなかったから。ゴルフで生計を立てられているという恵まれた環境を忘れることはないだろうね」。
最近メジャー優勝を経験した選手の言葉とは思えないが、これでもワトソンは野心家だ。と同時に、ジョージア大シニア(4年相当)の時にブルドッグスにSECタイトルをもたらした時と同様に、今も謙虚な姿勢を忘れていない。4年生の時にワトソンは個人として出場した大会は1大会のみだった。「自分よりも上手い選手が5人もいたからね。彼らがプレーするべきで、僕にチャンスは無かった。それで練習の大切さ、それに競技としての難しさや勝つことの大切さを学ばされたよ」。