A.スコットのプロフィール、クラブセッティングなど
2013年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
A.スコットがメジャー初制覇! 豪州勢初のマスターズチャンプ誕生
◇米国男子◇マスターズ 最終日◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7445ヤード(パー72)
夕方から予報されていた天候の崩れはやや早まり、ラウンドを通して雨天の中で演じられた終盤組の優勝争い。息詰まる接戦が続く中、アダム・スコット(オーストラリア)とアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)が通算9アンダーで首位に並んでホールアウト。決着は、2人によるサドンデスのプレーオフへともつれこんだ。
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1ホール目の18番はともにパー。続く10番で行われた2ホール目。ともにパーオンに成功すると、先に6メートルを外したカブレラに対し、スコットがピン右につけた4メートルを沈めて決着。77回目の開催にして、オーストラリア人が初のマスターズチャンプに輝く瞬間となった。過去にグレッグ・ノーマンら母国の偉大な先達たちが成し遂げられなかった大願を果たし、歴史にその名を刻んだ。
通算7アンダーの単独3位にジェイソン・デイ(オーストラリア)。タイガー・ウッズは前半の停滞が響き、マーク・レイシュマン(オーストラリア)と並ぶ通算5アンダーの4位タイ。首位タイスタートのブラント・スネデカーは3つ落とし、通算4アンダーの6位タイに終わった。
56位タイからスタートした石川遼は、雨が降り始める前に18ホールを完走。7バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの好内容で回り、5回目の出場にして自身初の60台となる「68」をマーク。通算4オーバーの38位タイに浮上して4日間を終えた。
また、アマチュアとしてただ1人決勝ラウンドに進出した14歳のグァン・ティンラン(中国)は通算12オーバーの58位タイでフィニッシュ。大会史上最年少のローアマチュア誕生となった。
思えば昨年7月の「全英オープン」。グリーン上で最後に膝から崩れ落ちたのがアダム・スコットだった。サンデーバックナインの上がりで、単独首位から悪夢の4連続ボギーフィニッシュ。アーニー・エルスにクラレット・ジャグを献上した。あれから9か月後のメジャー「マスターズ」。スコットはこの最終日、6アンダーの6位タイからスタートし、出だしの1番でボギーを叩いたが、2番以降は一度もスコアを落とすことなく、頂点に立った。
“負の歴史”に終止符を打った。名選手の多いオーストラリア勢だが、マスターズだけは勝利に届かず、ことごとく涙を呑んできた。なかでもグレッグ・ノーマンは、ニック・ファルドに敗れた96年大会を含め3度も2位に終わった。そしてスコットも、11年大会でジェイソン・デイと並び2位タイとなったひとりだった。
「オーストラリアはスポーツが盛んな国。でもこれは、我々が手にできかなった一つだった」とグリーンジャケットを誇らしげにまとう。そして「国中のゴルファーに影響を与えた男、それがグレッグ・ノーマンだった。彼は僕やオーストラリアの若い選手たちにとって、本当に大きな存在。この一部は間違いなく彼のものだよ」と、端正な顔を緩ませながら、母国の偉大な先輩に感謝した。