マスターズ
期間:04/7~04/10 場所: オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
歴史から名物イベントまで…「マスターズ」を徹底解剖
「マスターズ」とは、毎年4月にアメリカ南西部のジョージア州オーガスタにあるオーガスタナショナルゴルフクラブで開催されるゴルフトーナメント。「マスターズ」は男子プロゴルフ競技で格が高い4大メジャー大会の一つだが、毎年同じコースで開催されるのはこの大会のみ。一般的に注目度が非常に高く、日本でも最も評価の高いゴルフイベントとなっている。
農園地から世界一美しいコースへ
開催コースとなるオーガスタナショナルGCは1933年に開場。ジョージア州出身で、年間グランドスラム(同じ年に4大競技をすべて優勝)を達成した「球聖」ボビー・ジョーンズ氏と実業家のクリフォード・ロバーツ氏、そして英国ゴルフコース設計家アリスター・マッケンジー博士の協力によりクラブが発足した。コースが造られた土地はもともとインジゴ(藍)農園地であったが、その丘陵地がうまく生かされてゴルフコースを形成している。後半のバックナインには池や小川などの罠が多くあり、戦略性が高い。またコース内にはたくさんの木や花が植えてあり、トーナメントが開催される4月は植物が開花してオーガスタナショナルは世界で最も美しいゴルフコースと呼ばれることが多い。
1934年に「オーガスタナショナルインビーテーショナル」として発足されたトーナメントは6回目の大会となった1939年から現在の正式名称になっている「The Masters Tournament」と呼ばれるようになった。毎年優勝者にはこのコースの会員が着用する緑色のスポーツコート『グリーンジャケット』が贈られ、名誉会員となり生涯このトーナメントに参加できる資格が得られる。
オーガスタナショナルの会員は超大物揃い!
オーガスタナショナルはゴルフメンバー(会員)が世界中で僅か300人前後という超プライベートコース。ゴルフクラブからの「招待状」で加盟することができるというが2009年4月現在、女性のメンバーは存在せず男性のみのメンバークラブとなっている(女性はビジターとしてプレーすることは可能)。
2002年に『USA TODAY』というアメリカ全国紙で会員メンバーが発表されたことがあったが、その当時のリストには日本人のメンバーは存在していなかった。ビル・ゲイツ氏(マイクロソフト会長)や、世界的に有名な大企業の代表が名を連ねている。
他のメジャーとはここが違う!
他のメジャー競技(全米オープン、全英オープン、全米プロ選手権)は出場人数定員が156人となっているが、「マスターズ」は出場人数を100人弱と限定していて、一線で活躍する選手も出場するのは簡単ではない。大会が始まる前にいろいろな特別イベントがあることでも有名。火曜日の夜に過去のチャンピオンだけで食事をする「チャンピオンズ ディナー」は、前年度の優勝者がメニューを決めることができる。過去にはタイガー・ウッズやタイガーの親友マーク・オメーラ(1998年優勝)がお寿司をメニューに加えて話題になったこともある。トーナメント前日の水曜日は隣接するパー3コース(パー27)で「パー3コンテスト」が開かれる。「パー3コンテストに優勝するとその年の試合では優勝できない」というジンクスは、今も続いている(過去に青木功が1975年、1981年、中嶋常幸が1988年にパー3コンテスト優勝者になっている)。